母からの電話
91歳の母親から電話があった。夏バテしないようにと仙台の牛タンを送ったその品が届いたという連絡である。母親の姉は95歳、兄は100歳でそれぞれ施設にお世話になっているが、まだ存命である。しかし、叔母の方は痴呆が進んでいて家族がやっと認識できる程度であり、叔父の方はがんを患っている。この先あまり永くはないようだ。「次は私だね~・・・・・・・・・」と言いながら、「私もどこか安い施設がないかねえ」と言われ返す言葉もなかったので「まあ、そうだね」と相槌をうっただけであった。”樹静かならんとほっすれど風止まず”親の生きているうちに孝行せよという戒めである。木が静かになろうとしても、風は止まない。子が親に孝行をしようと思ったときには、親は待ってくれず、すでに亡くなっている。『風僕の悲しみ』『風樹の嘆』などの言葉はここから生まれたらしい。若い時にはまだピンとこないが、40や50,60になるとこの言葉の実感がよくわかってくる。47歳で夫(私の父)を亡くし、苦労続きの人生であったような気がする。私でできることの親孝行をしよう。




