当時HISの子会社でHISスパー電力㈱が角田に4万ｋＷのパーム油を燃料としたバイオマス発電所を開所させた。弊社はその燃料を仙台港から角田までの区間、年間約7000～8000個のパーム油のISOコンテナを運ぶ契約を取り付けた。
1か月に約3000万円の売り上げがほぼ確定することからこのコンテナを運ぶためのトラクターヘッドやトレーラー8台、そしてコンテナを詰め込む際に必要なリーチスタッカー2台等の設備投資を行い、専属のオペレーターも採用し、万全の体制で発電所の開所を待っていた。
しかし、残念ながら燃料のパーム油の高騰により、今でも忘れることができないが、7年前の12月のちょうど今ぐらいの時期である。赤尾社長（当時）以下、関係者が来られて「事業の延期をさせていただきたい」と言われ愕然としたことが今でも思い出される。その後発電所の経営者も変わったが、いまだに稼働はしていない。
その関係車両が弊社の不良債権となり、私の汚点となっている。そこから脱却を企るためその車両をすべて売却することに決断し、そのシンボルのリーチスタッカーを本日送り出すことにした。不思議なものでほとんど動かすことがなかった車両ではあるが、詰込み船の埠頭に運ばれていく姿を見て何となくさみしい気分が沸き上がってくる。『神戸ではしっかり稼げよ』と心の中で見送った。
